意外に知らない?ビジネスメールの社外と社内に送るときのマナー

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ビジネスシーンでメールのやり取りは必須です。日々の業務に追われて「ビジネスメールのマナー」まで気を配れていますか。
例えば、取引先会社名の「株式会社」を「㈱」と省略したり、あいさつでよく使われる「お疲れ様です」は社外の方へはNGです。
そこで、本記事では改めてビジネスメールのマナーについてまとめました。例文もありますのでぜひ参考にしていただければと思います。

ビジネスメールのマナー 3つのポイント

ビジネスメールのマナーで最低限おさえておきたい3つのポイント

  1. メール本文中のあて名
  2. あいさつ文もメールの送り先に合わせる
  3. ビジネスメールは簡潔に

社外あてと社内あてメールの「あて名」

「あて名」は、ビジネスメールのマナーというよりはビジネスマナーにあてはまるでしょう。
知らなければ気にならないことではありますが、封書のあて名などのマナー違反をよくかけます。

会社名は省略しない

  (株)、(有)
〇  株式会社、有限会社 

敬称は一つ

あて名が 会社名 + 個人名 (役職なし) の場合

「御中」と「様」が敬称の重複になります。会社名と個人名が改行されていても同様です。

  株式会社〇〇〇〇御中 ××××
〇  株式会社〇〇〇〇 □□部 ××××様

あて名が 会社名 + 個人名 (役職あり)の場合

役職も敬称のため、役職 様 は敬称が重複になります。

  株式会社〇〇〇〇 □□部 ××××部長 
〇  株式会社〇〇〇〇 □□部 部長 ××××様
〇  株式会社〇〇〇〇 □□部 ××××部長

社外あてと社内あてメールの最大の違いは「あいさつ文」

あいさつ文とは、メール本文のはじめのことばです。どんなに多忙でも、社外・社内・目上の方へのマナーを軽視してはいけません。メールのあいさつ文でも、社外あてと社内あてできちんと使い分けをする必要があります。

あて先一般的NG
社外いつもお世話になっておりますお疲れ様です
社内上司・部下に対して
お疲れ様です
上司に対して
ご苦労様です

「お疲れ様です」は社外の方へはNG

いろいろなビジネスシーンでよく使う「お疲れ様です」は、取引先など社外の方へはNGです。目上の方に限らず、社外の方へは失礼にあたります。

「お疲れ様です」は社内のみ

「お疲れ様です」は、いろいろな場面で使いますが、社内のみ使える言葉です。上司や同僚、部下へも使えます。しかし、似たようなことばで「ご苦労様です」は上司へはNGです。


秘書検定などでも次のように解説されています。

  • 上司への言葉  お疲れ様です
  • 目下への言葉  ご苦労様です

要件は簡潔に

あさイチの業務がたくさんのメール処理という方は多いと思います。長々とした文章でいったい何が言いたいのか読み解く時間がかかってしまっては大迷惑です。

メール受信者は忙しい中メールを読んでいると仮定して、まずは要件を簡潔に伝えます。
そのあとに箇条書きや行間を開けたり自分自身も頭を整理しつつ入力していくことが大切です。
言葉で説明するより資料を見たほうが早いなら、資料を添付ファイルで送るなど工夫してみましょう。

社外あてビジネスメールのテンプレ

宛先 xxxxx@+++++++.jp
CC yyyy@+++++++.jp
BCC zzzzz@-----.co.jp

件名 【回答願います】〇〇〇お打ち合わせ日程調整について

株式会社+++++++
---部 部長 xxxxx 様

いつもお世話になっております。
株式会社-----営業部のZZと申します。

先日お問い合わせいただきました「〇〇〇」につきまして、お打ち合わせの日程調整をお願いいたします。
納期を踏まえまして、日程の候補を挙げてみましたがご都合のよい日時はございますか。

・〇月〇日(火) 14時~16時
・〇月〇日(木) 14時~16時
・〇月〇日(水) 10時~12時

上記以外でご希望がございましたら調整いたしますので、お気軽にお申し付けください。

多忙と存じますが、〇月〇日(金)までにご回答いただけますと幸いです。

宛先(TO、CC、BCC)の違い

宛名には「TO」「CC」「BCC」の3種類あり、それぞれ役割が違います。
ビジネスメールのアドレスであっても個人情報です。特に社外への取り扱いに注意しましょう。

TO主要な宛先アドレス表示返信必要
CC情報を共有したいアドレス表示返信不要
BCC情報を共有したいアドレス非表示返信不要

「TO」は必ず読んでほしいメインのあて先

  • CCもあるメールの場合には、返信も同様にCCを付ける
  • TO、CC、BCC全員にメールアドレスなどの情報が表示される

「CC」はメインではないが、情報を共有したいあて先

  • CCで受け取ったメールには、基本的に返信は不要
    どうしても返信すべき場合は「CCより失礼します」など一言添えるといいでしょう
  • TO、CC、BCC全員にメールアドレスなどの情報が表示される

「BCC」は情報を共有したいが、アドレスなどは表示したくない

  • BCCのアドレスは、TOやCCの受信者にアドレスなどの情報は表示されません
  • BCCで受け取ったメールに直接返信してはいけません
  • 取引先へのメールを上司に共有する場合に使用
  • 面識のない複数の相手にもメールを送りたい場合に使用

件名はパッと見で要件が分かるように

メールは件名と差出人で優先順位や重要度を判断されます。そのため、件名だけで要件が分かるように具体的につけましょう。また、見返す際に検索しやすい言葉を入れると効率がいいです。

件名を付けるときのポイント

  • 潔に要件や日時を入れる
  • 文字数は20文字程度にまとめる
  • 【】など記号を付けて見やすく

件名の例として

新商品〇〇〇 見積もりのお願い
ミーティング日程変更のお知らせ(〇/〇)
【ご回答】欠品中□□□の納期について

添付ファイル 2つの注意点

メールにファイルを添付する際には、「ファイルのサイズ」と「ファイル形式」の2つを確認します。

ファイルのサイズは2MBまで

ファイルのサイズは2MBまでというのが一般的です。2MBを超える場合には、ファイルを圧縮したり、転送サービスを利用するとよいでしょう。

ファイルの形式

メール受信者が対応可能なファイル形式か確認してから送付したほうがよいでしょう。
特に図面データや動画の場合、ファイル形式が多く、特定のアプリケーションがないとファイルを開けない場合があるので特に注意が必要です。

また、添付ファイルは添付忘れなどのミスが起こりやすいです。メールの本文中に添付ファイルについて書き加えると、添付モレを防げます。また、メール受信者にも添付ファイルがあることをお知らせできます。

本文 構成ごとのおさえるべきポイント

いよいよ本文作成です。本文の構成にそって解説していきます。社外あてメールと社内あてメールに違いがでてきます。

あて名は本文でも必要

「宛先」とは別に「あて名」ももちろん必要です。
あて名が複数名の場合は、社外の方(役職順)→社内(役職順)に注意が必要です。

社外の会社名は、(株)や(有)などと省略せずに「株式会社」や「有限会社」とします。また、会社名の後ろに個人名がある(〇〇会社御中 ××)場合、御中は必要ありません。敬称が二重になっています。これらは、封筒の宛名書きや書類などでもよく見かける間違いです。

社外あてメールのあて名

役職がない場合(会社名+部署名+氏名 様)
  株式会社++++ 営業部 XXXXX 様

役職がある場合(会社名+部署名+役職名+氏名 様)
  株式会社++++ 営業部 部長 XXXXX 様
 または
  株式会社++++ 営業部 XXXXX 部長

役職も敬称なので XXXXX部長  は敬称が二重のため間違いです。

CCがある場合(大人数の場合は省略)
  TOの宛名の下に括弧書きで、複数の場合は役職が上の方から
  (CC: yyyy 様、vvv 様)

社内あてメールのあて名

部署名+氏名 様
  同僚や部下など親しい間柄の場合は「さん」でもよいでしょう。

あいさつ文

社外あてのメールでも、ビジネス文書のような「拝啓 ・・・」などの時候のあいさつは必要ありません。失礼のないように簡単に一言あいさつをして、名乗りましょう。

社外あてのあいさつ文

社外の方へ「お疲れ様です」は失礼に当たります。親しい取引先の方でも、社外の方へのあいさつ文としては避けたほうがよいでしょう。

社外あてあいさつ文の例文

  • いつもお世話になっております。
  • お忙しいところ恐れ入ります。
  • 先日はお時間をいただきありがとうございました。
  • 初めてメールをいたします。

社内あてのあいさつ文と名乗り

社内あてのあいさつ文は、「お疲れ様です」が上司・部下両方使えます。上司に対して「お疲れ様です」に抵抗がある場合には、「お疲れ様でございます」と言い回しを変えたり、朝なら「おはようございます」などでもいいかもしれません。しかし、「ご苦労様です」は目上の方へは失礼にあたります。注意しましょう。
また社内あての名乗りは、同じ会社なので会社名は省きます。

社内あてあいさつ文と名乗り

  • お疲れ様です。営業部のzzです。
  • (部下あて)ご苦労様です。営業部のzzです。

本文の要件は簡潔に

ビジネスメールの本文は、はじめに要件を伝えます。そのあとに必要な情報を整理して簡潔に書いていきましょう。

1 要件のポイントが複数ある場合は箇条書き
2. 一つの文の文字数は20~30文字程度
3. 段落と段落の間は1行空ける

最後に締めの一言

締めのあいさつもマナーとして必要ですが、簡潔に一言だけにしましょう。
「何卒宜しくお願いいたします。」でもいいですが、メールの内容に合わせた例文をご紹介します。

  • 引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
  • ご検討のほどよろしくお願いします。
  • ご多忙中お手数をおかけし申し訳ございませんが、よろしくお願い申し上げます。
  • 誠にありがとうございました。
  • ご迷惑をおかけしましたことを謹んでお詫び申し上げます。
  • ご期待に添えず恐れ入りますが、今後ともよろしくお願いいたします。

署名は必ずつける

「署名」とは、メールの最後に記載する名刺のような自社情報です。メールソフトに設定されていることが多いのですが、ない場合は設定しましょう

まとめ

ビジネスメールのマナーとして最低限おさえておきたいポイントは

  • 「宛先」 TO、CC、BCCを使い分ける
  • 「件名」 要件を具体的に
  • 「宛名」 社外の会社名省略はNG、敬称の重複(御中、様、役職)に注意
  • 「あいさつ文」 社外あてに「お疲れ様です」はNG
  • 「要件」 箇条書きで簡潔に、行間をあけて読みやすく

メール送信前の誤字脱字のチェック時に、上記ポイントも一緒にチェックしませんか。