ビジネスメールの返信マナー【シーン別例文あり】

パソコン 事 務 系

受け取ったメールの返信にもマナーはあります。
毎日何通ものメールを受け取り返信していきますが、ビジネスシーンによってどう返信したらよいのか迷うことがあります。
そこで、ビジネスメールを返信する際のマナーを、ビジネスシーン別例文も交えて解説していきます。

ビジネスメールの返信マナー

  1. 返信は遅くても翌営業日までに
  2. 「CC」で受け取ったメールには基本返信不要
  3. 件名の変更せず「Re」をつけたまま
  4. 「引用」も活用し、文章は簡潔に
  5. あいさつ文、締めの言葉、署名も入れる

返信は遅くても翌日までに

メールの返信は、遅くても翌日の相手先営業時間内がマナーです。返信は早いほうがいいですが、メールが届くたびに対応していては目の前の仕事が進みません。急ぎのメール以外は、一日のうちでメールを確認する時間を朝イチ、午後イチ、就業前など決めるといいでしょう。

メール返信の目安

  • 朝イチで確認したメール → 当日午前中
  • 午前中で確認したメール → 当日中(相手先の営業時間内)
  • 午後に確認したメール → 翌日午前中

すぐに回答できない

  • メールを確認した時点で、いつまでに回答できるかと理由を返信
    「現在関連部署にて日程調整をしており、明日〇月〇日午前中までにはご返事いたします。」
  • メール受信より24時間以上経過
    返信が遅くなったお詫びと遅れた理由を簡潔に
    「返信が遅くなり申し訳ございません。出張中のためメールを確認するのが遅くなりました。」
    「体調不良でしばらくお休みをいただいており、ご返信が遅くなり誠に申し訳ございません。」

「CC」メールの返信

「CC」で受信は基本返信不要

自分の名前が「CC」欄にあるメールには、基本的に返信は不要です。
CCはあくまで情報の共有が目的で、メールの返信はToに名前がある方がします。

例外的に「CC」より返信する場合

「To」の方が不在など返信の必要性がある場合には
「〇〇が出張中の為、CCより失礼します」
などと一言添えて返信するといいでしょう。

宛先に「CC」があるメールへの返信

メールの送信者が情報を共有したいためにCCを入れているので、「CC」欄の方も含めて全員へ返信するのが基本です。
返信時にメールツールの「全員に返信」を利用すると返信者モレがなく送れます。

メールの内容によっては情報を共有しなくてもよい場合ももちろんあります。
特に個人情報や大人数の場合は、気を付けたほうがよいでしょう。

件名は変えない

相手への配慮や丁寧さで件名を変えたほうがよいのか迷う方もいらっしゃるでしょうが、ビジネスメールのやり取りには効率も大切です。一日に何通ものメールが届く方にとっては、件名を変えるとかえって迷惑をかけることになります。
件名は変えずに「Re」もつけたまま返信しましょう。

件名を変えない理由

  • Re:がついていると、同じ案件でのやりとりだとわかかる
    (後日検索しやすい)
  • メール受信者は件名と送信者で処理の優先順位をつける
  • メールソフトによっては、件名などで関連するメールのやり取りをグループ分けをする機能がある

メールのやり取りが続き、要件が変わる場合には件名も変えたほうがいいかもしれません。

「引用」も活用し文章は簡潔に

メールの引用とは、受信したメールの一部または全文を自分の返信の本文にコピーして引用することです。引用は英語でインラインとも呼ばれます。

引用する文章に誤字脱字あっても、意味があってその文字を使っている可能性もあるので訂正せずそのまま引用するのがマナーです。

部分引用

部分引用とは、受信したメールの一部分のみ引用することです。
複数の質問に対して各々回答していくときに使うと、一問一答のような形式になりわかりやすく、回答モレを防げます。

部分引用する際には、「引用にて失礼します」など一言添えるといいでしょう。
引用する文字の左端に引用符の「>」半角インデント記号を付け加えます。引用符があることで引用文が分かりやすくなります。

全文引用

全文引用は、メールソフトによっては返信時に自動で全文引用されるものもあります。自動で設定されている場合には、引用部分の上部に返信本文を入力します。

返信にもあいさつ文、締めの言葉、署名

ビジネスメールにとっての本文には、あいさつ文・締めの言葉・署名は必須項目です。
署名があることで、メールから電話に連絡手段を変えるときにすぐに対応できたり、メールの終わりがわかりやすいというメリットもあります。

メールのやりとりが増えていくと署名は邪魔かなと思ってしまいます。そんな時は署名の項目を最低限に絞ったり装飾を簡素化していくといいでしょう。

シーン別例文

どのようなシーンでも本文構成としては次の順序です。

  • あて名
  • あいさつ・名乗り
  • 要件
  • 締めの言葉
  • 署名

それでは具体的シーンの例文を紹介します。

日程変更のお願いメールの返信

複数の候補日が提示されている場合は都合の良い日時を明記し、都合のいい候補日がない場合は、断りを入れたうえで希望日時を改めて提示します。

  • 複数の候補日が提示されている場合

このたびは、次回打ち合わせの日程候補日のご提案ありがとうございます。
候補日のうち、下記日程にてよろしくお願いいたします。
  〇月〇〇日(〇) 10:00~11:30  貴社A会議室

  • 候補日が都合悪く、再調整をお願いする場合

このたびは、次回打ち合わせの日程候補日のご提案ありがとうございます
恐縮ですが、ご提案いただいた日程までに資料をそろえられず、申し訳ございませんが下記日程で再調整願えませんでしょうか。
  〇月〇〇日(〇) 〇〇:〇〇~〇〇:〇〇
  〇月〇〇日(〇) 〇〇:〇〇~〇〇:〇〇
  〇月〇〇日(〇) 〇〇:〇〇~〇〇:〇〇
ご迷惑をお掛けし申し訳ございませんが、よろしくお願い申し上げます。

見積もり依頼メールの返信

見積依頼メール返信時には、まずお礼を伝え見積書は添付ファイルとしてPDF形式で送りましょう。
すぐに見積書を送れない場合には、お礼と一緒にいつまでに見積書を返信するか明記します。

  • すぐに見積書を作成できる場合

このたびは、〇〇〇のお見積りのご依頼ありがとうございます。
御見積書を添付いたしましたので、ご査収のほどよろしくお願いします。
お見積り内容についてご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。

  • すぐに見積書を作成できない場合

このたびは、〇〇〇のお見積りのご依頼をいただきありがとうございます。
詳細確認後、〇〇月〇〇日までにお見積書をお送りいたしますので、しばらくお時間を頂ければと存じます。

お礼メールの返信

「お礼メール」に返信は必要なのか、どこまで返信し続ければいいのか迷いますよね。
ビジネスメールのマナーとして返信は必須ですが、それではメールが終わりません。

基本的に、お礼メールのやりとりは1往復ですが、締めのことばに気を配ると返信相手も気兼ねなくメールを終われるでしょう。そこで、お礼メール返信の締めの言葉の例文を上げていきます。

  • また、ご不明な点がございましたらお気軽にお声掛けくださいませ。
  • 今後ともよろしくお願いいたします。
  • また機会がございましたらぜひご連絡いただけたら幸いです。

お詫びメールの返信

お詫びメールでも返信はしましょう。取引先からの謝罪メールへの返信では、相手のミスであっても高圧的な文章や上から目線になってはいけません。「お気になさらないでください」や「今後ともよろしくお願いします」などというていねいな文面を心がけましょう。

  • お忙しい中、ご丁寧にご連絡をいただきありがとうございます。
    どうかお気遣いなさらず今後ともよろしくお願いいたします。
  • お気遣いいただきありがとうございます。こちらこそ事前に確認を怠り申し訳ございませんでした。
  • 誠実なお言葉と対応策のご提案に対し、深く感謝申し上げます。

お断りメールの返信

ビジネスメールのやりとり上、お断りのメールを受け取ることもあります。こういう時こそていねいな返信を心掛けましょう。お断りのメールへの返信のポイントは次の通りです。

お断りメールの返信ポイント

  • こちらの提案に対して検討し、結果返答してくれたことへの感謝
  • 断られた事実やその理由の了承
  • 締めの言葉で次の機会につなげる

お断りメールの例文

お忙しいところ弊社提案についてご検討いただきありがとうございます。

今回は見送られるとのこと承知いたしました。貴社のご要望に添えず申し訳ございません。
残念な結果となりましたが、別の機会にお力になれるよう尽力してまいります。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

先日のご提案につきましてご丁寧な返信誠にありがとうございます。

今回は予算の調整が難しいとのこと、承知いたしました。
お忙しいところお時間をいただき、重ねてお礼を申し上げます。

またご提案の機会がございましたら、何卒よろしくお願いいたします。

このたびご提案いたしました〇〇〇の件につきまして、ご検討いただき感謝いたします。

納品スケジュールの調整がつかず今回は見送られるとのこと、承知いたしました。

またの機会がございましたら、お声がけいただきますと幸いです。
今後ともどうぞよろしくお願いします。

返信するべきか迷う

メールを受け取ったら返信するのがビジネスメールのマナーです。
しかし、ていねいさを優先するあまりに、要件のないメールを何往復もしては迷惑になります。

「返信不要」にも返信するのがマナー

ビジネスメールのマナーとしては、「返信不要」と明記されていても返信するべきです。わざわざ返信不要と明記されていると、返信するのは逆にマナー違反なのか迷うところですよね。

特に社外や目上の方には、「確認しました」という簡単な一言でも返信したほうがよいでしょう。
しかし、同僚や気心の知れた間柄で「返信しないで」という意味だと読み取れる場合は返信しないほうがよい場合もあります。

返信不要とは?

 「返信の必要はない」「しなくてもいい
✖ 「返信しないでくれ」

返信不要メールへの返信 例文

  • 承知しました。ありがとうとざいます。
  • メール確認しました。そのように手配いたします。

このようにメール送信者は相手を気遣って「返信不要」としているのでしょうが、受信者には悩ましい言葉です。よほど親しい間柄でない限り、定型文としては適していないかもしれません。

最初にメールを送った側が終わらせる

メールのやりとりは、はじめにメール送信した人で終わるのが基本です。
たとえば、下のように1.5往復がスマートなメールのやりとりといえるでしょう。

  1. A→B 質問
  2. B→A 回答
  3. A→B お礼

もちろんこれで要件が解決できない場合も多々あります。メールはチャットのようにラリーを続けるのではなく、なるべく要件を簡潔にまとめてやりとりの回数を少なくするように心がけましょう。

締めの言葉で返信の必要性を読み取る

受信メールの締めの定型文で、「このメールでやりとり終了しましょう」という意図が感じられるなら返信しなくてもいいでしょう。
たとえば、「何かございましたら、改めてご連絡を差し上げます」などがそれにあたると思われます。

また、関連のある要件の場合はそのまま返信するのではなく改めて件名をつけてメールを送信します。

まとめ

ビジネスメールを返信するときのマナーに絞ってまとめました。

  • メールへは基本返信する
  • 相手先への敬意が過剰にならないように
  • 要件は簡潔にまとめる
  • メールのやりとりが長くならないように気を配る

マナーとは絶対ではなく、メールの相手先や状況によって臨機応変に対応していきましょう。